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ダウト ~あるカトリック学校で~
2009-08-27 Thu 18:58



ダウト~あるカトリック学校で~

【スト-リ-】
1964年のニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック学校。厳格な校長シスター・アロイシスは、ある小さな“疑惑”を抱いていた。それは、純朴な新人教師シスター・ジェイムズの目撃談から始まった。ある“疑惑”とは、進歩的で生徒からも人気のあるフリン神父が、学校で唯一の黒人生徒と“不適切な関係”をもっているのではないか・・・ということであった。“疑惑”を突きつけられたフリン神父の弁明は、若いジェイムズの“疑い”を払拭するに十分なものだった。しかし、その弁明にアロイシスの“疑惑”はさらに深まる一方。その“疑惑”には何も根拠がないと反論するフリン神父に対し、もはや“疑惑”を“確信”しているアロイシスは神父を執拗に追い詰める。激しい言葉の応酬でお互いの本性を暴こうとするふたり。ふたりの言動に翻弄されるシスター・ジェイムズ。すべては、アロイシスの妄想か?それとも、“疑惑”は“真実”なのだろうか???

“疑い”という人間の心に巣食う闇を大胆に浮き彫りにしたヒューマンサスペンス。



【レビュ-】
以前からこの映画の俳優陣の演技に高い評価の声をあちこちで目にしたので俄然、鑑賞したくなってしまった作品です。

しかし、この作品は映画として楽しむという感じではなく、この作品の宗教的背景を絡めた世界観に浸るのと、徹底的に「疑惑」という人間の心理をあぶり出した、濃い文学的なドラマにのめり込むといった作品だと思いました。


自分は信仰の教え等にはあまり興味はありませんが、信仰をしている人の心理や宗教哲学みたいなものには少し興味があるので、このカトリック学校で何が起こったのか?と大変、興味深く観る事が出来ました。

時代は1964年と一昔前のアメリカ、ニュ-ヨ-クはブロンクスとなっていて、この時期はあのジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたという衝撃と悲しみの最中、アメリカが変わろうとしていた時期の物語で、それは宗教の世界にも変革の波が押し寄せて来ていた時代なのでしょう。この物語の舞台であるカトリック学校もその例外ではなかったのですね。

カトリックの教え、仕来りを厳格に守ろうとする学校長シスタ-・アロイシス、彼女と対照的な神父フリンはその説教も多分、独特のものなのだろうと感じましたが、学校の中では生徒達にも寛容でそれまでになかったであろう、厳しい制約や生徒たちとの関係などを変革しようという、新しい考えの神父でした。


ダウト~あるカトリック学校で~ イメ-ジ1


その二人の間に出来た「疑惑」。これがタイトルにもある人間の深層部に存在する闇。この作品は徹底的にその闇を取り上げ、答えこそ明確に表しはしませんでしたが観ている者に問いつめてきました。

シスタ-・アロイシスの「疑惑」はやがて「確信」になった時。観ていて凄い迫力でした。

前評判の高い、アロイシスを演じたメリル・ストリ-プと、対峙するフリン神父を演じたフィリップ・シ-モア・ホフマンの舌戦は演技バトルと言われていましたが、まさにその通りでした。

特にメリル・ストリ-プの鬼気迫る演技は、本当に迫力があり実際にあんな鬼校長にワ-ッと言われてしまったら後ずさりしてしまうかもしれません。
それほど人を威圧し、自分が信じたものを絶対に曲げないという屈強な信念。それはカトリック学校の校長という立場からか、それとも世を捨て神の教えに沿い神の使いとして人生を捧げた女の信仰心なのか?

今まで守られてきた厳格な仕来り、教え、風習。彼女にとってはボ-ルペンで字を書く事や異端な表現が入った歌を歌う事を禁ずる、そんな些細な事も「駄目」と昔から決まっているものは駄目だと、とても厳しいものでした。


自分が思うに、彼女は今まで自分が信じてきたものや考え方は絶対であり、それが神の教えで神に通じる心なのでしょう。あれほど頑なに人を疑い、追いつめるのは信仰が絡んでいるからなのかもしれないと感じました。


信じているそこの神様の教えが「人を殺せ」と言ったら疑う事もなく、それが正しいと解釈して人を殺してしまう。それが自分のためであり、その犠牲者のためと信じて疑わないから。そうした宗教的心理って本当に怖いと思います。そうした事をこの作品で強く感じてしまいました。


結局、フリン神父が実際に「クロ」だったのか明確に答えは出ていませんが、それは色々な解釈がありとても難しいです。

しかし最後、それまで頑なに信念を曲げなかったアロイシスに新たな疑惑が浮き出てきたと自分は感じました。
「自分が信念を曲げなかった事」、「フリン神父が絶対に不適切な行為をした事」に疑惑が出てこれで本当に良かったのかと自問自答しているように見えました。
彼女が泣き崩れたのは、自分の信仰が正しいのか?自分の正義、信念、神の教えなどあらゆるものに疑惑が生じてしまったという、とても皮肉なラストに受け取りましたが、これも様々な解釈がありそうですね。

でもイエス・キリストは愛を説いたのに、アロイシスにはそれが無く、フリン神父が説教で諭したものにも共感を生む事はなく、ひたすら自分の信念が絶対だったのに、矛盾が沢山見つかってしまった。
彼女は本当は弱くて優しい人間だったのかも知れないと自分は感じたのですが、どうでしょうか?


ダウト~あるカトリック学校で~ イメ-ジ2


自分的にこの二人の俳優さんも良かったと思いますが、純朴なシスタ-・ジェイムズを演じたエイミ-・アダムスも役に合っていて良かったしすごくキュ-トで魅力的でした。

また、助演女優賞に輝いてもいい!と強く思ってしまったヴィオラ・デイヴィス。彼女が登場するのはとても短いのですが、素晴らしい演技だったと思います。まさに迫真の演技で一番印象に残った俳優さんでした。彼女の登場がこの疑惑により一層の謎を深めたと思いますね!

この4人がそれぞれアカデミ-賞にノミネ-トされたという、非常に質の高い演技合戦で創られたこの映画は、絶対良いから観て!と万人にお勧め出来るような作品ではありません。
しかし、濃い演技を堪能するなら、是非鑑賞して頂きたい映画だと思います。



信仰とは難しく、疑惑を持つということは本当は、最も神が望んでいない事なのではないかなと、ちょっと哲学してみました。この作品を観たらそう思いますね。




ユウ太的評価 7.5点
自己評価ですのでご了承下さい。
皆さんもよろしかったらコメントに評価を入れて下さいね。
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コメント
★ こんにちわ^^
宗教を持たない私にとって宗教を持つ人は
寛容な人というイメージがありましたが、自分の
これまでの人生で出会った人たちは、必ずしも
そういう人達ではありませんでした。

日本人のキリスト教に対するイメージは清く正しく・・・
ですので、クリスチャンと言うと素敵なイメージを
持ちますが、宗派も多く複雑な歴史や背景を
持っているだけに、ステレオタイプとして捉えるのは
危険かも知れませんね。

日本には宗教は浸透していなくても、道徳があり
八百万の神として自然を大らかに捉える風習が
ありました。

この柔軟性を持ってしたらどんな宗教にも負けない
人間を育てる事は可能なのです。

悲しいかなその道徳が存在しにくい今、人の心は
歪んでしまったのでしょうね。
あ、ちょっと話それました?
すみません長くなって・・・
応援して帰りますPP
2009-08-31 Mon 16:36 URL | たえ #fddzkx5k[ 内容変更] | top↑
★ こんばんは!
この映画、観ている最中は
「宗教」にとらわれ過ぎてしまいましたが、
宗教は単なる「舞台」で、
人間の「疑心」をしっかり描いていましたよね!

>自分の正義、信念、神の教えなど
 あらゆるものに疑惑が生じてしまったという、
 とても皮肉なラストに受け取りました
そういうことだったと思います。
なんとも深い作品ですよね。
表面だけじゃ捉えきれない描写でしたv-424
2009-08-31 Mon 23:35 URL | なるは #-[ 内容変更] | top↑
★ たえさん ありがとうございます。
たえさん(^^)こんにちは!
いつもありがとうございます。

信仰をしている人、自分も色々と観察させていただきましたが、自分的には本当にそれで信仰しているの?と疑いたくなる人がとても多いと感じました。

この作品も教えとその道徳心にかなり矛盾した行動を取るというものを感じましたね。

信仰的な話をここですると、とても長くなってしまうので触れないようにさせて頂きますが、この世の中、世界中には沢山の信仰、宗教が存在し、色々な活動や教えがあると思います。
特に欧米の信仰というのは日本人からすると憧れを抱いたりする事もあると思います。(結婚する際の教会式などがそうですよね)
けれど、信仰に身を置く事、教えを守る事というのは綺麗な事だけではない事も多くあるのだと思いますね。

この作品では心の奥底にある「疑心」を取り上げてサスペンス的なドラマに仕上げていました。

ですが、信仰を切り離してみても、こうした人間の疑心や深層心理で他を追いつめ、結果的に取り返しのつかない事態にまで発展してしまうケ-スも数多く存在し、それは非常にやっかいなものだと思います。この映画で暗に発信しているメッセ-ジも、そんな事が含まれていたんじゃないかと感じた味わい深い作品でした。

道徳心。そうですね~。今はモラルに欠ける人や事柄が大変、多いと思います。
信仰をしている方も、それぞれの教えは倫理道徳を説いているのに、モラルに欠けてるなぁという印象を与える場面がとても多いですね。
まさにこの作品のように矛盾しています。

自分こそ難しい変なお返事になってしまい大変、すみません。汗っ

いつも本当にありがとうございます。

2009-09-01 Tue 19:15 URL | ユウ太 #-[ 内容変更] | top↑
★ なるはさん ありがとうございます。
なるはさん(^^)こんにちは!
いつもありがとうございます。

この作品、確かにサブタイトルにも「カトリック学校で~」なんてありますので宗教絡みのドラマという観点で鑑賞してしまいますね。

しかし、宗教を切り離しても、人間の心の奥底にあるダ-クな部分を取り上げて、しっかりと描かれていたと自分もそう思います。

この作品が暗に発信していたメッセ-ジを自分なりに受け止めて解釈してみましたが、なるはさんも共感して下さって大変、光栄に思います。

しかし、様々な受け取り方があるこの作品の、色んな感想やレビュ-を多く見てみる事も面白いなぁと思いますね。

本当、とても味わい深い作品だと思います。捉え方も様々で全部汲み取れない、そんな作品でした。(^^)

なるはさんのレビュ-も興味深く拝見させて頂きました。本当にありがとうございます。
またお邪魔させて下さいね!(^^)
2009-09-01 Tue 19:25 URL | ユウ太 #-[ 内容変更] | top↑
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