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インビクタス/負けざる者たち
2010-09-18 Sat 17:52



インビクタス/負けざる者たち



【スト-リ-】
アパルトヘイト撤廃を導き、南アフリカ共和国大統領となったネルソン・マンデラ。それでもなお色濃く残る、白人と黒人間の差別や経済格差の是正を目指し、彼は同国代表のラグビー・チームのキャプテン、フランソワ・ピエナールと手を結ぶ。そして、白人と黒人によって結成されたチームで、ワールドカップへの出場を目指す。

クリント・イーストウッド監督、モーガン・フリーマン、マット・デイモン共演による感動ドラマ。




【レビュ-】
イ-ストウッド監督作品という事で、観たかった映画でした。
自分のイメ-ジとして、単純にラグビ-を扱ったスポ-ツもの と先ず最初にそう思っていたのですが、そこはイ-ストウッド監督だし、俳優陣もモ-ガン・フリ-マンにマット・デイモンと豪華なキャスト。
一体どんなドラマを見せてくれるのだろうと思わず期待してしまいましたが、その通りのなかなかの映画でした。


自分が感じたのは素直にスポ-ツものと言うより、ネルソン・マンデラと南アフリカを描いた映画だなぁと深く感銘を受けました。

モ-ガン・フリ-マンが演じるマンデラ大統領。その姿は「マンデラの名もなき看守」でも描かれていた様にとても知的で紳士的な人物のネルソン・マンデラでした。


彼が言う台詞、行動、政策などは以前から色々なものを通して少し、分かったつもりでおりますが本当に紳士的でまた知識も兼ね備えていて尊敬に値する人物だと改めて感じる事が出来ました。
映画だからそれは多々、脚色はあるだろうと思いますが、あの混迷を極めた大変難しい時の黒人大統領としていかに人々を導いていったのか そんな事も描かれていてとても分かりやすかったです。


インビクタス/負けざる者たち イメ-ジ1



この映画で描かれるマンデラという人物のここが素晴らしいなと思ったのは、誰にでも笑顔で挨拶をするところ。
これはそれまで対立をし、迫害を受けてきた白人達にも同じように接する事で誰よりも先に大統領が率先して行っている事が素晴らしいと思いました。
それまで長きにわたる獄中の中で、どれほど耐え、苦しんできたかは想像に容易いと思います。同胞も投獄されたり不可解な死をもって抹殺されたりその数は計り知れない程。
でも、それでもマンデラは相手を知る勉強を欠かさず、そして赦した。普通の思考やメンタルでは出来ない事と思います。

そうした彼が思考した事や、行った事柄がとても分かりやすく描かれていたと思います。

その中の一つがラグビ-というスポ-ツを生かした政策でした。 これは「政策」だと思いますね。


南アフリカのラグビ-・ナショナルチ-ムを大統領自らが全面支援する事。これは一か八かの懸けにも似た体当たりの政策だったことでしょう。
当時、アパルトヘイトの象徴ともされていたヨ-ロッパ系白人が中心のナショナルチ-ムを大統領自らが受け入れ、世評の風当たりも耳にせず支援していく姿は大胆で、とても寛大な物として見て取れました。
しかし、これも相手(白人)を長く研究し、理解して赦したから出来た事だと思いました。そこまでに至る流れや経緯も見事でしたね。


そして、当のラグビ-・ナショナルチ-ム。キャプテンのピエナ-ルを演じたマット・デイモンもとても良かったです。
大統領と接し、口にされなくとも自国開催のワ-ルドカップ優勝を肌で受け止め、迷いの暗礁に乗り上げた弱小チ-ムをまとめ見事に復活させた闘将を自然に演じられていたと思います。


インビクタス/負けざる者たち イメ-ジ1




この映画、派手さはそんなに無いのですが、要所要所で熱くさせるのがとても上手いなと感じた映画でもありました。
後半からのラグビ-の試合シ-ンでは思わず力が入ってしまう程、のめり込んで観てしまいました。これはスポ-ツもの特有の良さがあると思います。
特に決勝のニュ-ジランド代表「オ-ルブラックス」の登場、彼等による試合前の闘いの儀式「ハカ」など、本当に気合いが入ってしまいました。


また、イ-ストウッドらしい緊迫した場面作りも忘れられません。
冒頭から大統領が日課としてる早朝ランニングで出くわす怪しい車両のシ-ンで、未だ安定していない南アフリカの情勢を匂わせたり、大躍進を見せるラグビ-チ-ムの試合前のシ-ンでは、差別や格差社会を人々が乗り越えたかと思えた最中、まだ反対勢力がいるのかと思わせるジャンボジェット機のシ-ン等、含みを持たせ緊迫させる良いアクセントを入れて映画に厚みを感じさせてくれました。
ここら辺がイ-ストウッド監督のらしいところであり、自分も好きなところであります。


ただのスポ-ツものでは仕上げず、社会派の味付けも丁寧に加え、尚かつネルソン・マンデラという人物を上手く描いた伝記もの、実話映画としても観る事が出来る贅沢な映画。
決して派手さはありませんが、良くできている映画だと思いますし、安心して観る事が出来る映画だと思います。


スポ-ツが世界を変える。
スポ-ツ好きの自分にはたまらない内容ですし、南アフリカの歴史を知るのにも分かりやすく良い材料になる良作だと思います。
本当、観ていて思わずニッコリしてしまう良い映画ですね!
ブラボ-!スプリングボクス! ブラボ-!マンデラ! てな感じです。(^^)





ユウ太的評価 8点
自己評価ですのでご了承下さい。
皆さんもよろしかったらコメントに評価を入れて下さいね。



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路上のソリスト
2009-12-09 Wed 19:08



路上のソリスト



【スト-リ-】
LA.タイムズのコラムニスト、スティーヴは仕事に追われ、結婚生活も破綻し、自暴自棄になりそうな日々を送っていた。そんなある日、澄んだヴァイオリンの音色を耳にする。そして、スティーヴは、無心に2弦のヴァイオリンを奏でるナサニエルと運命の出会いを果たす。こんなにも美しい音楽を奏でる音楽家が、なぜ路上で暮らしているのか・・・?
そんな彼についての記事を書くために、スティーヴは取材を重ねていく。そして、ナサニエルのその数奇な人生を発見していくことになる・・・。

L.A.タイムズの有名コラムニスト、スティーヴ・ロペスが書いた実話の映画化。ロバート・ダウニーJr.×ジェイミー・フォックス共演作。



【レビュ-】
自分は結構、クラシック音楽なども好きで、特にヴァイオリンを始めとする弦楽器の音は癒しとしても好きなものでして、鑑賞してみました。

物語としては本当にあったコラムを基にしているということもあってか、凄く淡々としている印象がありました。
自分はもっと感動するヒュ-マンドラマだと思い結構、期待していたのですが実はあまり感動はしなかった感じです。

でも

この作品は一人のコラムニストの目を通して、元ジュリア-ド音楽院に在籍していた人物が何故、路上生活者になったのか、彼は何故その様な環境に居ても音楽を奏でているのか。というナサニエル個人を観ていると同時に、彼と同じく路上に溢れている多くの人物とその現状を表しており、もっと大きな事を題材にしている作品なのだと感じました。


元ジュリア-ド音楽院で将来を有望されていたナサニエル。彼はヴェ-トベンを敬愛し、その心は音楽に満ちあふれている人物でした。
恵まれた環境の中で、洗練された技術をそれ以上伸ばそうと、多くのア-ティストを生んだジュリア-ド音楽院で、彼は苦しんできました。
そこから離れて公園で愛するヴェ-トベンの像を前に、自由な音楽を奏でる。 その時の表情は純真無垢で、心から音楽を楽しんでいる印象を受けましたね。 また、2本だけの弦が生み出す音も妙に味があって良いなぁと自分も聴いていました。

この路上のソリスト、ナサニエルを演じたジェイミ-・フォックスも実際、ジュリア-ド音楽院でピアノを学んでいたのだとか。あのヴァイオリンやチェロを演奏する姿も何処か雰囲気があって、なるほどと思いましたよ。


路上のソリスト イメ-ジ2



そんな彼に偶然出逢い、彼の事をコラムのネタにしようと接触するのがLAタイムズのコラムニスト、スティ-ブ・ロペスでした。
彼は最初、これは面白い男を見つけた と思ったのでしょう。しかし、ナサニエルの技術、奏でる音、それと音楽を愛する心に気付き心底、ナサニエルを助けたいと思ったのでしょうね。勿論、ナサニエルが路上からカムバックして成功するサクセス・スト-リ-をコラムで取り上げらにれれば、ロペス自身も賞賛を手にするチャンスだったと思います。

ですが、ナサニエルが本職だったチェロを手にし、演奏を始めた瞬間、それまで溢れていた音がナサニエルのチェロの音一つになり、感動の心が上空にまで突き抜けて昇華する。 あの感覚を見たロペスは一気に心を動かされたのかなと解りました。

またナサニエルをオ-ケストラのリハ-サル現場に連れて行ったシ-ン。
身体中でその音楽を吸収するかの様に感じるナサニエルを見て、またこの時同時に鑑賞している我々にも、ナサニエルの感じている精神の奥底を見せられ、彼が本物だと教えられます。

この二つのシ-ンは大音量で観たいシ-ンですね。うちのウ-ファ-は大したものではないですが、それでもビンビンに伝わってきました。やっぱりクラシック音楽は良いなぁと改めて思いました。


そのロペスを演じたロバ-ト・ダウニ-Jrの表情は多くの心情を表していました。この役はなかなか表現しづらい難しい役だったと思いますが、流石に上手く演じていたと思います。それに短髪の姿も良かったし、色々とコミカルな面も流石にやってくれますね。「コヨ-テの尿」のシ-ンは良かったですね~(^^)



物語にドラマチックな起伏があんまり無い内容で、やはり主演2人の演技は良かったと思いますね。
特に、ジェイミ-は路上のソリスト、そして統合失調症で苦しむ難しい役を本当に素晴らしく演じていたと思います。


路上のソリスト イメ-ジ1



この物語と並行して、現在アメリカだけでなく日本でも問題になっている路上生活者たちも捉えて、テ-マにしていた
ものもありました。
日本も昨年、年末のニュ-スで話題となった路上生活を余儀なくされた人々の問題。それには失業や就職難の問題、病気、高齢、薬物、犯罪など、様々なもんだいもカメラに収めて現代の実情や問題も浮き彫りにしていました。

ただの感動物語ではなく、コラムニストの目はその周りにある皆が視界に入れようとしないものまでを取り上げていたようでした。
多くの人が目にするコラムとは、このように視野を広く持っていなければいけないのでしょうね。

そうした部分に感心してしまったという、何だか妙な感想をもったレビュ-となりました。


でも音楽と深い精神の世界までもを表現していた映像がとても印象に残った作品でした。 あの鳩が飛ぶ、バ-ドビュ-的なシ-ンはちょっと大げさな気もしましたが、他の映画「バ-ディ」を思い出しました。 ちょっとパクリっぽかったけど良かったです。(^^)




ユウ太的評価 6点
自己評価ですのでご了承下さい。
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ミシシッピ-・バ-ニング
2009-09-23 Wed 19:12



ミシシッピ-・バ-ニング


【スト-リ-】
1964年、ミシシッピーの小さな町で、3人の公民権運動家の行方不明事件が発生する。FBIの若きエリート捜査官と、たたき上げのベテラン捜査官が捜査に乗り出すが、住民は彼らに敵意をもった目を向け、KKK団が執拗に捜査を妨害する。
そんな困難な状況のもと、思想も捜査方法も正反対の2人は、対立しながらも事件の真相をひとつひとつ暴いていく・・・。


鬼才アラン・パーカー監督が実話をもとに、アメリカ史の暗部である南部の人種差別問題に鋭いメスを入れた社会派サスペンス作品。



【レビュ-】
大分前に観た作品でしたが改めてキチンと、今回は再見いたしました。

自分はこうした社会派作品も好きなので以前から色々な人種差別を扱った作品を観てきましたが、改めて鑑賞し直すとやはりこの作品はもの凄くストレ-トな正攻法の社会派映画だなと再度、認識しました。
このような映画を創るアラン・パ-カ-の作品は他にも観ていますが、彼の作品ではやはり一番良い作品だと思います。

人種差別、黒人差別の映画として他に「遠い夜明け」がありました。あちらもアパルトヘイト政策を打ち出した南アフリカの黒人差別を扱った作品で、同様に衝撃を受ける作品でしたね。
しかし、アメリカ南部に今なお根強く残る米国内の問題を見事、映画作品に起こし人種差別という深く大きい闇にメスを入れた大変、意義深い作品だと自分は思います。
因みにアメリカ南部で黒人を差別してきた歴史を知るのであれば南北戦争中の黒人奴隷を描いた「グロ-リ-」を観ると、参考にもなるのでより解りやすいかも知れませんね。


さて、この「ミシシッピ-・バ-ニング」はこのタイトル通り、まさにこの当時のミシシッピ-州のあちこちで燃え上がる炎に包まれる!といった内容でした。

冒頭のなんて事はない、何処にでもあるような水飲み場の映像からもう、深く考えさせられます。
その映像には二つの水飲み場が映されるのですが一つは我々がよく公共の場やスポ-ツ施設などで利用するボタンを押すと冷水がピュ-っと出てくる涼水機。そしてもう一方は普通に手を洗うような手洗い場のような水道設備。
それは白人用と「COLORED」と書かれた有色人種用(黒人用)。使用する機械、食事を取るスペ-スなど完全に分けられているというのが良く分かりました。

最初からそのようにストレ-トな映像で人種差別としておこなっている事を痛烈にメッセ-ジとして訴えてきました。


この物語は1964年当時、黒人にも平等に選挙権など公民の権利をと、求めて行った公民権運動の最中に、実際にその運動家が殺害されるという事件をモデルにしたスト-リ-となっているので非常に重たくパワ-のある作品に仕上がっています。

劇中の舞台。ミシシッピ-州、フィラデルフィア。この町では当たり前のように公然と人種差別が行われ、黒人たちへの差別や虐待が容認されているという背景がありました。
事件を起こすのはKKKに所属する住人、保安官達。町全体が、その土地の権力者達が黒人を憎み、時には暴力、リンチなどで公民権運動を阻止しようと妨害する。
そんな映像が沢山映し出されます。

世界に目を向ければ勿論、アメリカ南部に限った話ではないのですが、こうした人種差別、人を迫害するという事は昔から色んな地域でおこなわれてきたのでしょうが、とても恐ろしく悲しい事です。

そんな非人道的な行為をこの作品でも多く知る事が出来るでしょう。国や肌の色、目の色、髪の色が違う、体格、骨格、顔の作りが違う。なんて、見た目や外見の違いだけで差別、迫害を受ける。とても悲しい事です。

劇中、差別を受けている黒人の台詞で、「我々は何も悪い事はしていない。肌が黒い事以外は」とありました。また、「色が黒いという違いはあるが、流された血の色は同じ赤なのに」といった台詞もありました。 このどれもが当時、辛く苦しい目にあってきた黒人達の悲痛な叫び声として、自分の胸に深く突き刺さりました。とても辛かったです。

自分も日本人なので肌の色は「黄色」として、世界の中ではそう見られてしまいます。今やアメリカでは黒人の大統領が誕生し、この舞台となったフィラデルフィアにも黒人の市長が誕生したそうです。
しかしこの先、世界が食糧や水不足、また、資源やエネルギ-不足に陥った時、このように白人優先とか、国内の人種、または、国家間での差別や争いが絶対に無いとは断言出来ません。
そんな事を考えると本当に恐ろしいと思いますが、そんな事まで真剣に考えさせられた作品でした。



俳優陣にめを向けると、事件の捜査を担当したFBI捜査官のウィレム・デフォ-とその相方ジ-ン・ハックマンが二人とも凄く良かったです。

デフォ-は眼鏡なんか掛けちゃってインテリの捜査官という雰囲気を出してました。インテリらしく、マニュアル通りの甘ちゃんな捜査を遂行していくデフォ-。しかし、正義の心は熱かったです。
それとは対照的にハックマンは南部出身の男として、その地域性、根強く残る差別文化を良く理解しており、叩き上げらしく聞き込みをメインに時には人情味溢れる、また時には「眼には眼を」の強引な捜査で状況を打開していく経緯がとても良かったと思います。

特にハックマンの途中から「俺流」のやり方に切り替えた捜査はそれまで抱えていたフラストレ-ションを一気に発散させてくれました。
映画のエンタテイメント的な部分も上手く盛り込んで良い出来に仕上げていると思います。しかし、最後はなんかいきなりトップギアに入ったように終息はあっけなかった感がちょっとマイナスでしょうか。。。


しかし、人種差別という重たく深いテ-マを上手く仕上げたのは素晴らしいと思います。訴えるものはストレ-トに見せて、映画としても緊張を持たせつつ、見事に打開させて行きました。

社会派作品の良作。というだけあってとても良い映画だと思います。こうしたジャンルが好きな人は是非一度、鑑賞してもらいたい作品ですね!




ユウ太的評価 8点
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チェンジリング
2009-08-12 Wed 16:20



チェンジリング



【スト-リ-】
1928年。ロサンゼルスの郊外で、9歳の息子・ウォルターと幸せな毎日を送る、シングル・マザーのクリスティン。だがある日突然、クリスティンの勤務中に、家で留守番をしていたウォルターが失踪。誘拐か家出か分からないまま、行方不明の状態が続き、クリスティンは眠れない夜を過ごす。そして5か月後。警察から息子が発見されたとの朗報を聞き、クリスティンは念願の再会を果たす。だが、彼女の前に現れたのは、最愛のウォルターではなく、彼によく似た、見知らぬ少年だった・・・。

実話を基に、クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナジョリー主演で贈る、一人の母の愛の物語。



【レビュ-】
クリント・イ-ストウッド監督作品と言う事で観たかった映画でした。やっとDVDにて鑑賞です。

実話をベ-スに製作された作品。というのは劇場公開時から知っていたのですが、それ以外何の情報も入れずに鑑賞に臨みました。
すると自分が勝手に抱いていたものとは違う展開を見せ、ここ最近の作品では最も心や感情を激しく揺さぶられた作品となりました。
流石はイ-ストウッド監督!と言いたくなる満足のいく作品。


80年以上も前のアメリカで実際に起こった出来事を描いた実話作品なのですが、先ずこの当時の警察による不当な出来事に感情を揺さぶられました。

こんなこと本当にあったのか?という全くを持って理不尽な警察の対応。
愛する息子の行方が分からなくなったと必死に訴えても、「24時間経たないと捜査しない。99%が翌朝に帰ってくるから」など、それが誘拐だったらどうするのか!?

また5ヶ月後、ご子息を保護したと連絡を受け、早る気持ちで会いに行ったら別の男の子。母親が違う、別人だと訴えても、それを抑え付け主張を認めないなんて、当の親が一目見れば判別できることを他人が意見出来る事ではないのに、本当にこんな酷い警察の悪行があったのかと思うと、益々この作品にのめり込んでいく結果となりました。


チェンジリング イメ-ジ3


この時点で自分は、こうした腐敗した体質の警察や市政などの巨大組織と、息子を失った母親との戦いを描いた作品で終わるのかと思っていましたが、予期せぬ展開へと動いて行ったのです。

それは、まさかと思っていた凄惨な事件へと発展して行き、もう目が離せないものとなっていきました。
自分的に予想してなかった方向へ動き出したので、本当に物語に釘付けにされました。やはり情報を入れないのは良い事ですね。

その自分が思っていなかった展開も非常に重く辛い出来事で、子供を持つ親御さんには身を引き裂かれるようなものでしょう。
それに輪をかけて警察の酷い仕打ち、この母親のクリスティンは何度も何度も絶望の縁へ落とされ、何度も気持ちを殺されたと思います。その度に息子の死を感じなければいけない、非人道的仕打ちでした。

しかし、その度に息子は生きていると希望を見出し、子を想う母親の心はポッキリとは折れることなく前に進む事を決意していくという、強い姿を見せられました。
その姿に同調する者が力と勇気を与えてくれ、強大な権力と戦っていく物語となって行った事は多くの人を惹きつけたと思います。


チェンジリング イメ-ジ2


この作品の主人公 クリスティンは最初、息子の行方が分からなくなって涙に明け暮れ、不安と悲しみに支配された弱々しい母親でしたが、段々と息子の為に前を向き歩き始め、戦っていく強い母親へと変わっていく様が秀逸でした。 重く息苦しい出来事のスト-リ-なのに、鑑賞していてこちらも気分が高揚し、権力に負けない姿には爽快感まで感じた程でした。
これも母親を見事に演じた、アンジェリ-ナ・ジョリ-の迫真の演技が良かったからだと思います。彼女の徐々に瞳に力が宿っていく演技、最後のシ-ンでの希望に満ちあふれた瞳とその笑顔は、凄く印象的でした。

その他、各キャラが非常に濃い個性を見せてくれ、敵味方全ての俳優陣が良い仕事をしていました。正義の人を演じたジョン・マルコビッチなんかは、彼だとは全然気付かなかったです。
そうした仕事をさせた監督の手腕も素晴らしいし、カメラワ-クや陰影を駆使した照明、映像も素晴らしいものでした。

あの養鶏場のカメラによる視点なんかも、ゾクゾクしてしまいましたね。それとイ-ストウッド監督の特徴的なリアリティのある描写も緊張感を出させ、いろんな手法でこれでもかと感情を揺さぶってきます。



久しぶりに色んな意味で激しく揺さぶられ心を動かされた作品でした。素晴らしい作品だったと思います。




ユウ太的評価 9.5点
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シティ・オブ・ゴッド
2009-05-21 Thu 17:40



シティ・オブ・ゴッド


【スト-リ-】
1960年代後半、ブラジル・リオデジャネイロの貧民街“シティ・オブ・ゴッド”では銃による強盗や殺人が絶え間なく続いていた。そこでは3人のチンピラ少年が幅を利かせている。
ギャングに憧れる幼い少年リトル・ダイスは彼らとともにモーテル襲撃に加わり、そこで初めての人殺しを経験すると、そのまま行方をくらました。一方、3人組の一人を兄に持つ少年ブスカペは事件現場で取材記者を目にしてカメラマンを夢見るようになる。70年代、名をリトル・ゼと改めた少年リトル・ダイスは、“リオ最強のワル”となって街に舞い戻ってきた…。

60年代後半、70年代、70年代後半の3パートでつづったバイオレンスな青春ドラマ。


【レビュ-】
この作品も非常に評価が高く、前々から気になっていたものでした。やっとDVDにて鑑賞出来ました。

自分は小学生の頃よりサッカ-をしていましたので、『ブラジル』といえばサッカ-大国でありワ-ルドカップの常連。それにリオのカ-ニバルは有名ですし、サンバのリズムで楽しく陽気な国なんだろうなぁ なんて勝手にウキウキ想像してしまいますが、この作品はそんなイメ-ジを全て払拭してしまいます。

ブラジルにある「神の街(シティ・オブ・ゴッド)」と呼ばれるスラム街で繰りひろげられている日常は、平和な日本では想像も出来ない程凄まじい「暴力」の毎日。
以前観た、「それでも生きる子供たちへ」の中のブラジル編で、貧民街で逞しく生きる子供を描いた短編作品を鑑賞した事がありますので、ブラジルに於ける貧富の差や、そうした苦しい生活を知ってはいましたが、60年代、70年代にこんな凄まじい事件があった事はよく知りませんでした。

この作品で描かれる「神の街」の中の出来事は衝撃的です。
子供が普通に銃を手にし、何のためらいもなくその引き金を引く。とても恐ろしいです。
また、子供が子供を殺す日常。それを誰も気にもとめないその異常な光景は身震いをしてしまう程でした。

シティ・オブ・ゴッド イメ-ジ2

昔、ブラジルで撮られたという写真を目にした事がありますが、死体があちこちに転がっていて、そんな中、普通に生活している人達の写真。笑顔こそありませんでしたが、道に転がっている死体をやはり気にもとめていない様な異様な絵でした。
この映画を観てその時の違和感を思い出し、そして妙に納得してしまいました。この作品に描かれている状況では致し方なく、そこに住んでいる人達にとってはそれが「日常」なのでしょうね。
とても恐ろしいです。

また、ギャング団の中に「ガキ軍団」というまだ小学生くらいの少年達のグル-プも居て、彼らが銃で殺したり殺されたり、思わず目を背けてしまい胸が苦しくなるシ-ンもあるのですが、不思議な事に映画全体としてはとてもスピ-ディ-に、そしてスタイリッシュに展開していくこの映画はとても観やすくて一気に観てしまうという、非常に映像、音楽的に優れている作品だとも同時に感じてしまいました。

それはハンディで撮られた臨場感溢れるカメラワ-クと構成、そしてバイオレンスなのにやはり陽気なリズムを刻むラテンやアメリカン・ソウルの音楽。
それが見事に融合して洗練された映画作品を創り上げていました。そのセンスは思わず唸ってしまいます。

非常にパワ-があり、引き込まれる作品です。

しかし、ギャング団たちの抗争は戦争映画の様ですし、子供たちが暴力の犠牲になるというのはとても辛かったですね。子供さんやバイオレンスが嫌いな人にはお勧めは出来ない作品でもありました。



前述の「それでも生きる子供たち」のブラジル編監督、カティア・ルンドはこの「シティ・オブ・ゴッド」のフェルナンド・メイレレス監督と共同で監督を務めたのだとか。
両作品を観れば、ブラジルのスラムでの日常がよりよく分かるのではないかなと思いますね。

ブラジルのサッカ-が強い訳、そしてマリ-シア(ずる賢い)という言葉の様に強さとズルさを持っている事など、向こうは子供の頃から精神的に逞しくなり、ハングリ-さを身につけていくんだなぁと妙な所で関心もしてしまいましたね。


ブラジルだけでなく、世界の紛争地域や貧困が深刻な地域では、こうした暴力が日常になっていると言う事を少しでも知るという意味でも、この作品は凄い意味があると思いますし、本当にリアルでパワ-のある作品です。

傑作だと思います。



ユウ太的評価 9点
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