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母なる証明
2010-09-04 Sat 18:34



母なる証明



【ストーリー】
漢方薬店で働きながら一人息子のトジュンを育て上げた母。二人は貧しいながらも、母ひとり子ひとりで懸命に生きてきた。息子は、内気だが朗らかな純粋な青年であった。ある日、二人が住む静かな街で凄惨な殺人事件が起きる。一人の女子高生が無惨な姿で発見されたのだ。事件の第一容疑者として、トジュンの身柄が拘束された。彼の無実を証明するものは何もない中、事件の解決を急ぎ警察は形ばかりの捜査を行い、トジュンの逮捕に踏み切ろうと画策する。一方、弁護人はやる気もなく、有罪判決は避けられないように見えた。無実を信じる母親はついに自ら立ち上がり、息子の疑惑を晴らすため、たった一人で真犯人を追って走り出す。

『殺人の追憶』、『グエムル―漢江の怪物―』のポン・ジュノ監督が、永遠に失われることのない母と子の絆を描くヒューマン・ミステリー。2009年度カンヌ国際映画祭<ある視点>部門正式出品作。





【レビュ-】
TVで紹介されていたのを見て、とても鑑賞したかった作品。
監督は『殺人の追憶』でも濃厚な作品を見せてくれたポン・ジュノ監督 ということもあって大変、興味を抱いて鑑賞に臨みました。


前回、鑑賞した「殺人の追憶」はとても見応えがあった重く濃厚なサスペンスでした。同じくこの「母なる証明」もポン・ジュノ監督らしい重く、そして深い作品でした。韓国の映画にはこうした雰囲気の映画が高評価を得ています。『オ-ルド・ボ-イ』なんかもそうですね。これも見応えがあった映画です。



本作もジャンルとしてはサスペンス、ミステリ-なのですが、自分はこの映画をシリアスのカテゴリ-に入れたいと思い、敢えてそうさせて頂きました。
なぜなら同監督の映画として、どちらもずっしりと重くのしかかる様な映画でとても面白いのですが、良く出来ているのは「殺人の追憶」の方で、色々と深く考えさせられる余韻も結構なものでした。

一方、今回の「母なる証明」は同じ様な雰囲気を持つ、やはりずっしり重い作品です。しかし、衝撃度は本作の方が上になりました。その衝撃は鑑賞して味わって頂きたいのですが、描いている物や人物設定がタブ-なものだと思いますし、シリアスそのものだと感じたからです。

色々と考えさせられ後味の悪い、しかし記憶に残る映画だったと思います。


物語の冒頭、主演キム・ヘジャの怪しい踊りからこの映画は始まります。
だだっ広い草原の中、変なおばさんが変な踊りを踊っているシ-ンからの導入。いきなり何なんだ?と思わされましたが、この時すでに監督の仕掛けた伏線にはまっていたのです。


母なる証明 イメ-ジ1


その後、スト-リ-の前半は、主人公の母親(この役には名前が与えられていない)の一人息子、トジュンの純粋な姿やコミカルな仕草などに笑わせられます。
トジュンは知的障害を抱えており、その息子を人一倍可愛がり、守っていく母親の姿を描いた映画だから「母なる証明」というタイトルなのだと思っておりました。

トジュンの親しい友人はいわゆる悪友だし、知的障害を抱えてるので弱者である息子を母が愛情を持って守っていくスト-リ-だと見受けられました。前半の内は。


その町で起きた凄惨な殺人事件。トジュンの奔放な行動により、彼が容疑者として拘束されます。
一人息子、まして障害を持ち心は純真無垢なトジュンを守ろうと、彼の疑惑を晴らす為、必死に走る母の姿は確かに「母なる証明」でした。


母なる証明 イメ-ジ2



ところが、物語は急転します。


後半はそれまでのちょっと滑稽な、思わずクスッとさせられるやりとりや、息子の無実を信じ奔走する母親の愛情劇のドラマで緩んでいた心が一気に奈落まで突き落とされる様な、キュ-っと心臓を掴まれる程のシリアスなドラマへと変わります。

この変わり様は「殺人の追憶」にもありました。物語のスピ-ドが緊迫度も加速力に変えてギアチェンジしていくのです。
この事件の真相に迫っていくシ-ンは、本当に衝撃的でした。急変するからそれは倍加します。

そしてタイトルの意味も、違う形の意味として色濃く映ってくるから強烈な印象を与えられます。
「母なる証明」というのが、同じなのは変わらないのですが、その真意の違ったものが顔を現すのでした。その顔は人間の心の奥深くに眠り、普段は顔を出さない醜いもの。でもそれは親の愛情が深ければ深い程、否、きっと「母親」だから出てきた心根の感情だと思わされました。

映画のタイトルまで絶妙に練られていると感じます。


母なる証明 イメ-ジ3



また映像も全体的に仄暗く、雨のシ-ン一つとってもピンと張りつめた様な空気感や緊張感ある映像は変わらずに、雰囲気を醸し出していました。自分はこの監督の撮る、闇夜に降る雨のシ-ンがたまらなく好きです。

衝撃的な事件の真相から次の悲劇、そしてラストまでの間、色々と考えさせられるものもあり、その解釈は人によって多少異なると思います。

特にトジュンの不可解な言動や行動はちょっと難しいですね。これは色んな人の解釈を聞いてみたいと鑑賞を終えてからそう思いました。


そんな余韻を残す事件終息の後、冒頭に出た母の踊りを再び目にします。
最初に見た踊りは「変なおばさんの変な踊り」位にしか感じなかったものが、この物語の一番最後に再び見ると、とてもやり切れなく、何とも言えない深い余韻を残すものに感じるから凄いと思いました。監督のセンスを感じさせられます。


映画としての質、サスペンスの面白さとしては「殺人の追憶」が優れていると思いますが、衝撃度と色んな想いにさせられ余韻を多く残すのはこの「母なる証明」が上だと思います。

韓国映画に多い、重く暗い重厚なシリアスドラマが好きな人にはお勧めな作品です。きっと心を一気に突き落とされると思います。そうした作品が好みの方は是非! 観終わった後味はかなり悪いと思いますが。。。





ユウ太的評価 8.5点
自己評価ですのでご了承下さい。
皆さんもよろしかったらコメントに評価を入れて下さいね。





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その土曜日、7時58分
2009-08-08 Sat 14:22



その土曜日、7時58分


【ストーリー】
舞台はニューヨーク。 一見、誰もがうらやむ優雅な暮らしをしていた会計士のアンディは、妻と離婚し、娘の養育費もまともに払えない弟ハンクに禁断の企てを持ちかける。
それは、実の両親が営む宝石店への強盗計画だった。
その土曜日、7時58分。最悪の誤算を引き金に、次々にあらわになる家族の真実。
そして、急速に追い詰められていく2人の運命は…? もう、元には戻れない…

『十二人の怒れる男』のシドニー・ルメット監督が実力派キャスト共演で描いた犯罪サスペンス。



【レビュ-】
この作品、タイトルに惹かれて鑑賞した作品です。
鑑賞する際、タイトルにあるように土曜日に観ようと毎週企てていたのですが、土曜日に用事などが入ってしまい結局、木曜日に観ました。汗っ まぁ今日は土曜日なので記事をUPすることで決着をつけられましたが。

でもそんなくだらない、浅はかな考えの軽いノリで観る様な内容ではありませんでした。


この映画の原題はアイルランドで乾杯する祭の音頭のような言葉らしく、「May you be in heaven half an hour before the devil knows you're dead」(悪魔があなたの死に気付く30分前に天国にあらんことを)
という、とっても意味深な題になっています。

それを邦題では「その土曜日、7時58分」としてしまったのはどうなんだろう?と思ってしまいましたが兄弟が金に困って強盗をしようと計画する所から物語が動き出します。。
その強盗に押し入る先が、この兄弟の実の親が経営する小さな宝石店。土曜日の朝8時に開店の準備をしている時にやろう。という事でその時間を表しているタイトルでした。

しかし、この7時58分からこの兄弟の運命の歯車は狂い始め、崩壊へと落ちていくんです。
その様を描いたとても重い内容でした。


その土曜日、7時58分 イメ-ジ1


最初は誰も、損も怪我もしないで必ず上手く行く。と、タカを括ってこの強盗に望むのですが、予期せぬ誤算が彼らを襲い始め、次から次へと裏目に出てしまい、もう後戻りも抜け出す事も出来ない深みにはまって行く事になります。

その様子を過去に戻り、違う視点から何度も見せていくという、時系列を行ったり来たりする手法で描かれていました。
ですから最初の映像では解らなかった事が、過去に戻ってから別の視点で見せられた時に解明するという複雑なものでしたが、自分はこうした時系列をいじった作品が好きなのでとても良かったという感想です。


それとこの作品で舌を巻いたのがやはり主要人物達を演じた俳優たちの鬼気迫る演技でした。

兄のフィリップ・シ-モア・ホフマンの物語前半でのニヤついた薄ら笑いの顔から一変、顔を紅潮させ鬼の様な形相に変わるあの変わり様。枕を抱えての銃撃のシ-ンはもの凄い表情の演技を見せていました。
また弟のイ-サン・ホ-クは家族との関係も失敗し、娘にもダメ男と言われる始末の情けない駄目な男を本当に上手く演じていました。

また彼ら兄弟の父親、アルバ-ト・フィニ-や兄アンディの妻を演じたマリサ・トメイらも秀逸な演技でシリアスなドラマを盛り上げていました。

特に父親アルバ-ト・フィニ-の演技も鬼気迫るものがあり、最後の終止符を打つシ-ンなんかは寒気のするくらいの凄い演技を見せてくれました。

その土曜日、7時58分 イメ-ジ2


この作品、「十二人の怒れる男」「評決」とそれまで社会派として知られる巨匠シドニ-・ルメット監督の45作目の作品ということで、監督は御年84歳でこの作品を創り上げたのです。
この年にしてこのような深く濃いシリアスドラマを創り出し、これまでと違った作風、手法で新たな新境地を開拓しましたね。
また一本の映画を創り上げる監督の過程は、入念なリハ-サルと俳優たちの稽古に時間をかけるという、徹底的な創作と強いプロ意識で良質の映画を創るという、まさに入魂の作品となりました。


この映画では、人間の安易な行動で悲惨な一歩を踏み出してしまったら決して、二度と戻る事は出来ない。と負の連鎖を恐ろしいまでに描いています。
その負のスパイラルにはまったが最後、もう逃げられない悲劇の結末が待っていると、この原題である「悪魔が気付く前に・・・」と警告しているのですね。
とても素晴らしいタイトルなんだと改めて気付かされました。


内容は本当に重く、救いのない物語ですが、俳優たちの鬼の様な演技と崩壊していく悲劇が深い後味を残す、見応えのあるシリアスドラマだと思います。




ユウ太的評価 8点
自己評価ですのでご了承下さい。
皆さんもよろしかったらコメントに評価を入れて下さいね。

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アメリカン・ヒストリ-X
2009-04-24 Fri 20:14


アメリカン・ヒストリ-X


【スト-リ-】
白人至上主義に傾倒するダニーの元に、兄のデレクが三年ぶりに帰ってくる。
デレクは三年前に黒人の車泥棒二人を殺した罪で入獄していたのだ。兄の帰宅にダニーは喜びを隠せない。なぜなら、父親を黒人に殺害されたデレクは、ダニー以上に有色人種を憎み、白人至上主義に傾倒していたからだ。しかし、三年ぶりに会うデレクは、三年前とはまるで別人のようになっていた。彼は刑務所の中で何を見たのだろうか・・・。

現代アメリカにいまだ蔓延る差別意識。衝撃の結末を提示しながら、同時にアメリカの慢性的な問題を印象的に描いた作品。
(参考 Wikipedia より)



【レビュ-】
今なおアメリカに根強く残っている人種差別を扱った作品と言う事で鑑賞しました。

この作品に登場する白人至上主義の人々はヒトラ-を英雄視し、黒人だけでなく茶色や黄色の有色人種を差別し、外国人を追放しようと排他的な主張を強くおこなうネオナチと呼ばれるものでした。

この徹底的な主義、主張は恐ろしい程に凶暴で残酷なものとなっていました。
また、彼らは一貫して男は皆スキンヘッド、身体にはハ-ケンクロイツ(鉤十字)のタトゥ-を入れ、それが彼らネオナチの象徴となっているようでスキンヘッドの集団はとても威圧的で異様なものでした。
まぁ自分の周りにもスキンヘッドの連中は多くいますが、この作品のような集団になると普通の人は怖いと思うでしょうね。

自分は以前からネオナチの事を知識として知りたいと思った事があったので、この作品を通して彼らがどういった思想を持ち行動していたのか?というのは知る事が出来ました。

非常に危険で凶暴なものだという事がとても良く解りました。
ただ、この集団のリ-ダ-的存在の主人公デレクの過去には、父親が黒人に殺害されたという許し難い過去が存在していました。
そこからデレクは黒人を憎み、その主張を前面に出すネオナチという集団に所属するケ-スとなったのでしょう。

このデレクが黒人を射殺し、投獄されてからその思想は間違っていたと更生していくスト-リ-なのですが、彼を救おうとする周りの人達が居たからこそ、彼は自らの過ちに気付く事が出来たのだろうと思います。
その彼に投げかけた言葉の台詞に「その怒りは君を幸せにしたか?」という言葉がありました。
これは様々な人々に当てはまる言葉だと思います。
憎しみは怒りを生み、怒りは暴力を生む。それが連鎖となって世界には沢山の悲しみが生まれてしまいました。
怒りや暴力は何の解決も成さない。皆がその過ちに気付けば平和な世の中になっていけるのだろうと強く感じた作品でした。

そして、その怒り、憎しみ、暴力が最後の衝撃のラストへ向かっていきました。見終えた後はとてもやるせない気持ちにさせられました。が、しかし考えなければいけないテ-マだったと思います。


この作品の主演エドワ-ド・ノ-トンが凄い演技でした。
まだ普通の学生だった頃とネオナチとなりスキンヘッドで暴れまくる頃、そして刑務所から出所し更生してからと、一人の主人公の変わりようが3タイプのものとなり、それぞれ素晴らしい演技で違いを見せてくれました。また肉体改造を施し、30ポンド(13.6kg)も増量したという、筋骨隆々の身体も迫力がありました。
危険な人物の時はもう、まさにキレまくりで流石の演技だったと思います。それを観るだけでも一見の価値有りの作品ですね。

それともう一人のエドワ-ド。彼はデレクの弟ダニ-を演じていました。エドワ-ド・ファ-ロング君。
ファ-ロングと言えば「ペット・セメタリ-2」、「タ-ミネ-タ-2」でも人気の美少年ですが、この作品で彼もまたスキンヘッドを披露しています。
ファ-ロングもとても良い、熱い演技で魅せてくれました。


人種差別というものはアメリカだけでなく世界で沢山存在しています。 その差別が引き金となり憎悪が生まれ戦争や内戦にまでなった悲しいケ-スは過去に多くありました。
この作品でも最後はやはり悲しい結末となっています。

一人一人が考えなければいけないものをこの作品が強烈に訴えているのではないだろうか・・・。
そんな思いで鑑賞した作品。強烈なパンチのように訴えてくる映画、それはボディ・ブロ-のようにジワジワ効いてきます。そんな感じの映画ですね。



ユウ太的評価 7点
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カッコ-の巣の上で
2009-03-19 Thu 16:17



カッコ-の巣の上で


【スト-リ-】
1963年9月のある日。オレゴン州立精神病院にひとりの男が連れられてきた。ランドル・P・マクマーフィ。彼は刑務所の強制労働を逃れるために狂人を装っていた。しかし、精神病院はもっと悲惨な状況にあった。絶対権限を持って君臨する婦長によって運営され、患者たちは無気力な人間にされていたのだ。さまざまな手段で病院側に反抗しようとするマクマーフィに、患者たちも心を少しずつ取り戻し始めた。そんな彼の行動に脅威を感じた病院は、電気ショック療法を開始するが、マクマーフィも脱走を計画し始める……。

1975年のアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と、主要5部門を独占した名作。


【レビュ-】
75年のアカデミ-主要部門を総ナメにしたという、名作と謳われる作品。多分、初見だと思うという感じで鑑賞しました。

精神病院を舞台にした作品ということで、自分的にはこういう背景の作品は凄く興味があり、真剣に食い入る様に鑑賞させて頂きました。

精神病棟内で起こる人間ドラマとして描かれていますが、これは現代の社会や自分たちの周りを見回しても身近にある環境を痛烈に風刺しているとレビュ-で読んだ事がありました。

なるほど、精神病患者とそれを管理する病院側。身の回りで置き換えるととても恐ろしい、そして全く理不尽なものも見え隠れするようですね。

この作品ではジャック・ニコルソン演ずるマクマ-フィ-が精神病患者達に自由と人間らしい生き方を教えて、その喜びを体験させていました。
雁字搦めに時間と規律に縛られ、気がついたマクマ-フィ-は取り上げられた自由を皆に開放してやろうと一人奮闘する姿は一見、どうしようもないロクデナシが我が儘のし放題で秩序を乱し、はちゃめちゃな行為に走る様描かれていますが、考え方や見方を変えると彼は患者達に生きる喜びを与えていたとも取れると思いました。

常軌を逸した、確かに管理する側からすれば危険な行動。それを抑え付けようとするのは無理もないでしょう。精神病の治療を邪魔し、規律と秩序を乱す管理の邪魔となるものは排除しなければならないと思います。
しかし、これが社会を風刺したものというならば、管理する側が異常でマクマ-フィ-が人間の尊厳を守る者として見えてくるから面白いですね。

規律に縛られ管理の網の中で「挑戦」する行為は非常に勇気がいる事だと思いますし、一人でム-ブメントを起こす事の難しさと大変さは凄く良く解ります。

人間、気がつかない内に、正しくない物を「正しい」と誤認してしまう事は生活していく上で多々あると思います。
この作品の中で病院側が正しくないと思ったのは、母親に異常に怯えていたビリ-に対してラチェッド看護婦がおこなった行為は、精神的に病んでいる彼を追いつめてしまった行為でした。
言う事を聞かない物には制裁を加える。精神病患者に対してこうした行為は如何なものなのでしょう?
また悪とされ、諸悪の根元と見なされたマクマ-フィ-に対してはロボトミ-手術(脳手術)を行使し、彼を廃人にしてしまいました。これは非人道的行為でとても恐ろしいものでした。
この当時、精神病に対してロボトミ-は容認されていたようですが、意志や思考、学習能力を奪ってしまう酷い治療術でした。
映画「セッション9」でもこの施術は登場して、その時も恐怖感を覚えましたが、この作品で更にリアルに恐ろしいと感じましたね。

しかし、このシリアスな映画をクオリティの高い素晴らしいものに仕上げたのは監督の手腕は勿論、名優ジャック・ニコルソンのあの演技は素晴らしかったです。
この物語で大抵の場面がおちゃらけている様な場面が多かったですが、ふざけて廃人のように見せたクレイジ-な目つき、そしてロボトミ-を受けたあとのあの表情。ジャック・ニコルソンはこの作品の演技でオスカ-を受賞しました。
また、ラチェッド看護婦を演じたルイ-ズ・フレッチャ-の演技も鬼気迫る凄い演技を観れました。彼女もこの作品でオスカ-を受賞しており、主演男優、女優の両部門を見事、獲得しています。


そして原作ではこの物語の主人公として描かれているという、ネイティブ・アメリカンのチ-フがとても良かったです。
彼の全編、とっていた行為は、一番冷静で且つ、人間らしかったと思います。彼ら「インディアン」と呼ばれた民族は自然を敬い、心理を追求してきた独自の思想は、最後ああいった形でマクマ-フィ-と己自身に決着をつけたのかなと考えさせられました。

彼がとった選択は正しかったとかは言いませんが、人間の尊厳や真理を考える良い作品だなと自分は思いました。

人間は心の眼を開き、何が正しい道なのかを見極めなければいけないんだなと強く思います。

そうした思いを呼び起こし、深く考えさせられる良作でした。



ユウ太的評価 8.5点
自己評価ですのでご了承下さい。
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それでも生きる子供たちへ
2008-12-06 Sat 11:42


それでも生きる子供達へ


【スト-リ-】
両親の別離、ストリ-トチルドレン、HIV胎内感染、少年兵士など、それぞれの故郷が抱える問題を、7つの国の巨匠達がドラマチックに描いた感動作。
子供ならではの恐れを知らない逞しさ。劣悪な状況をも新鮮な遊び場にしてしまう想像力。大人だったら挫折してしまう絶望的な時も、ただひたむきに今日を生きる純粋な表情。
数々のエンタ-テイメントを世に送り出してきた巨匠達は、子供達に敬意を表し、大人の視点から哀れむことをしていない。

地球の希望はこの子供達だ。
心の底があたたかくなる、生きる強さを与えてくれる。そんな7つの物語。

(参考 Amazon より)

【解説】
1.「タンザ」 マシンガンを握りしめる少年兵の、それでも無垢な瞳。
  監督 メディ・カレフ   ルワンダより
監督から
この映画のように、毎日戦いつづけている子供がいるという事を、世界の人々に知ってもらいたい。


2.「ブル-・ジプシ-」 盗みでしか生きられない親と子の、どこか滑稽な叙情詩。
  監督 エミ-ル・クストリッツア  セルビア・モンテネグロより
監督から
自由よりも刑務所を好む社会的レベルの人が、あまりにも多い事に驚き、これがきっかけでこの物語を作った。


3.「アメリカのイエスの子ら」 HIVの両親と娘の、愛情と苦悩、そして再出発。
  監督 スパイク・リ-  アメリカより
監督から
この映画はハッピ-なものではないが、このテ-マは話しておくべきものと強く感じた。そして、今回はこの作品に「希望」という大きなメッセ-ジを盛り込んだ。トンネルの向こうには光があるということを伝えたかった。


4.「ビル-とジョアン」 廃品を拾って自活する兄妹。今日も宝探しがはじまる。
  監督 カティア・ルンド  ブラジルより
監督から
貧民街に住む幼い兄妹の生活。働きながら夢を見て、前向きであり続ける彼らの生活を新たな視点で見る事を伝えたい。


5.「ジョナサン」 地球上で消えない紛争、彼らは生きるために助け合う。
  監督 ジョ-ダン・スコット、リドリ-・スコット  イギリスより
監督から
この作品は、これまで大いに貢献してきたのに、世間で大した役割を果たしていないと感じている男の物語。彼が出会った子供たちのおかげで、彼が先に進む事を知ったように、世界の人々がこの映画をきっかけにして、少しでも前に進んでもらいたい。


6.「チロ」 大人達と互角に渡り合う、窃盗も辞さない子供たちの夢と現実。
  監督 ステファノ・ヴィネルッソ  イタリアより
監督から
何か世界を大きく変えようなんてポ-ズをとっているわけではない。人々にこういった問題を思い出してもらい、僕たち一人一人に何ができるか、そして何かすべきだと思ってもらう事を願っている。


7.「桑桑(ソンソン)と小猫(シャオマオ)」 路上で働く孤児と愛に飢えた少女。それぞれの悲しみと希望。
  監督 ジョン・ウ-  中国より
監督から
世界中の子供たちの希望を表現したかった。我々は世界の子供たちを救う話をしているが、本当は子供たちが我々を救っているのだ。彼らの強さと愛が世界を変えていくだろう。


【レビュ-】
短編オムニバス映画として、約20分程度の7つの物語が入った作品でした。

世界には辛い状況下で生きる、沢山の子供たちが居るという事は、色々なメディアで知っていますが、そうした子供たちを大人の「可哀想だ」という観点ではなく、秘められたメッセ-ジ性と共に描いた作品群です。
そのどれもが決して軽いものではありませんが、深刻なものとしては表現されておらず、本当に生きる強さと希望を感じる事が出来た、意義のある映画だと思いました。

自分的にはどの国も、どの物語も子供たちの厳しい生活を描いていましたが、中でもスパイク・リ-の作品と、カティア・ルンドのブラジルからの作品、そしてジョン・ウ-監督の作品がとても印象に残っています。

特にジョン・ウ-の作品は思わず、涙してしまいました。

しかし、どの国の作品も子供たちの逞しく生きる姿を描いており、大人として彼らを見習わなければという思いと、どんなに辛くても希望を持ち、「生きる」という事を決してやめない子供たちの姿に元気をもらえた気がします。

昨今、日本ではこの不景気の中、生きる希望を見いだせずに自ら命を絶つ人が増えているという、悲しい現状があります。大人になればなるほど様々な思惑が出てきて、「生きる」という事から逃げ出したくなる負の感情を持ってきます。
しかし、子供たちにはそうした感情は無いのだな とこの作品を観て改めて考えました。

日本では自ら命を絶つ者の低年齢化も深刻化しています。これは、子供の精神が大人になっていくのが早まっているという事ではないでしょうか?
なぜならば、この作品に登場してくる子供たちは、日本の社会、生活よりも明らかに劣悪で悲惨な状況です。にも関わらず、そんな中でも懸命に働き、あるいは悪い事や武装してまで、必死に生きているのです。彼らは決して「生きる」という事はやめません。
その姿と希望をもった笑顔に心を打たれました。

辛い状況、苦しい生活、何もかも投げ捨てたい心情は多くの人が抱いていると思いますが、懸命に生きる彼らの姿を見て、何かを感じて頂きたいと思える、良い作品だと思いました。

大人目線で、一言申し上げると、彼らのこれから先がたまらなく心配になりますが、あの子供たちはただひたすらに、目の前の事を精一杯やっているのでしようね。

劇中にこんな詩が出てきます。
「大人は誰も、昔は子供だった。でも、そのことを忘れずにいる大人はほとんどいない。」
アントワ-ヌ・ド・サン=テグジュペリ 「星の王子様」


世界中が希望と笑顔に満ちた、大人も子供も心が幸せになる事を強く願ってやみません。
そんな事も願い、そして考えさせられる作品です。


でもってこんな動画を拾ったので貼ってみます。この作品に少しあっているかなと思いましたので見てみて下さいね。



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