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セントアンナの奇跡
2010-02-27 Sat 18:51



セントアンナの奇跡



【スト-リ-】
現代のニューヨークで、謎の射殺事件が勃発。郵便局で働く定年間近の真面目な男がある日、カウンターに現れた男性客の頭にいきなり銃弾を打ち込んだ。彼の名はヘクター。犯行に使われた銃は、古いドイツ製のルガーだった。さらに彼の部屋からは、行方不明になっていた歴史的に重要なイタリアの彫像も発見される。二人の間にいったい何があったのか? その謎を解く鍵は、1944年のトスカーナにあった・・・。

第二次大戦中のイタリアで、ひとりの少年を助けた4人の黒人兵たちの運命を描いた真実のドラマ。スパイク・リー監督が贈る、実話から生まれた“希望”の物語。





【レビュ-】
スパイク・リ-監督の戦争もの という事で劇場公開時から観たかった作品です。

スパイク・リ-が手掛けた真実の戦争ドラマ といったふれ込みでしたが、どうやら物語自体はフィクションで当時、実際にあった事件と、この映画の基となった小説の原作者が自分の叔父から聞いた話をモチ-フにして創られたものらしいです。
でも、第2次大戦中にあった軍隊、虐殺の事件などは真実として描かれており、戦争映画としては申し分無いものに仕上がっていると思います。それに自分がこの映画で最も注目したのはやっぱりスパイク・リ-らしい「黒人差別」を大きなテ-マの一つにして描いていた事でした。

1944年、アメリカの第92歩兵師団、この部隊は1万5千人ものアフリカ系アメリカ人である黒人部隊として実験的にイタリアに投入されたそうです。
劇中で描かれていたこの黒人部隊は最前線に真っ先に配属され、敵の格好の的になってしまうほど危険な任務に就かされていました。
大砲などによる後方からの援護射撃の要請を必死にしても、黒人の言う事は信用出来ないと自陣へ砲撃され多大な犠牲を払ったり、孤立無援状態にさせられたりと人種差別を戦争の中でも行われていたというのを見事に描いておりました。
戦闘シ-ンなども他の戦争映画にも負けないほどのタッチで描かれていました。


セントアンナの奇跡 イメ-ジ5



そして肝心の「セントアンナの奇跡」。 1944年8月に起こったイタリアはトスカ-ナ地方スタッツェ-マ市においてドイツ軍が一般市民560名を皆殺しにするというセントアンナの大虐殺という事件の中にあった「奇跡」を描いてましたが、この映画の奇跡とは?と感じてしまいました。

多分、多くの人が冒頭の射殺事件から繋がる最後のシ-ンを「奇跡」と呼ぶのでしょうが、自分はそんなに感動もしなかったですし途中からこの映画が言う「奇跡」が分かってしまいましたので印象に薄い感じでエンディングを迎えてしまいました。
自分的には「あ~ なんだ」という具合に。

でもこの映画に他に奇跡は沢山ありました。そちらの方が自分は奇跡だと思います。
少年が黒人兵達と出会い、彼らに助けられながら命をつないでいった事は素晴らしい奇跡ですし、敵であるドイツ兵が取った行動も奇跡でした。


セントアンナの奇跡 イメ-ジ4



自分は最後のシ-ンに至るまでの少年が通ってきた経緯の方が奇跡だと思います。 だからタイトルに振り回されてしまったという印象は否めません。


個人的には黒人兵の一人「チョコレ-トの巨人」と少年を逃がしたドイツ兵がとても良かったと思います。
それまで自国の白人に差別されてきた黒人兵達が他国のイタリアの人々からは差別されずに受け入れられていたというエピソ-ドも良かったです。


自分としては奇跡うんぬん、戦争うんぬんというよりも、やっぱりこの監督らしい人種差別というテ-マが一番強く見えた映画でした。 


でも最後の奇跡のシ-ンはそれまでのドロドロした世界から一気に開放されてとても美しいシ-ンではありましたね。

戦争や殺し合いのない、平和な世界が「奇跡」として映りますが、それは奇跡ではなくそれが当たり前で本来の世界であって欲しいとそう願った作品でもありました。

人種差別や戦争、争いの無い本当の「奇跡」を現実に見てみたいですね。

この映画の少年が命を繋いできた奇跡。そこには人種や国家間の壁も、差別も偏見もなく、ただこの命を助けたいという一心で彼は救われました。
彼の瞳の中に見た、それまでの経緯の中に本当の「奇跡」へのヒントがあるかもしれませんね。


鑑賞して深く考えたくなる、そんな映画です。


セントアンナの奇跡 イメ-ジ1







ユウ太的評価 7点
自己評価ですのでご了承下さい。
皆さんもよろしかったらコメントに評価を入れて下さいね。

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鬼が来た!
2009-09-02 Wed 19:43



鬼が来た!


【スト-リ-】
第2次大戦末期、中国・華北の掛甲台村。ある深夜、マー・ターサンは麻袋を2つ押しつけられる。1つには日本兵の花屋小三郎が、もう1つには通訳の中国人、トン・ハンチェンが入れられていた。
マーは彼らを晦日まで預かるように何者かに脅されたのだが、約束の時を過ぎてもその人物は姿を見せない。この村に日本兵を置くのは危険だったが、もはや2人を預かってから半年たち、当初は攻撃的だった花屋も村人たちに感謝を示すようになっていた。そこで、花屋は自分たちを助けてくれたお礼に穀物を進呈するよう日本軍にかけあうと提案するのだが・・・。

第二次世界大戦末期の日本占領下の中国を舞台に、村人たちと日本兵との奇妙な絆と、やがて一転する狂気の結末までを、ユーモアと衝撃で描いた、2000年カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した感動のヒューマン・ドラマ。



【レビュ-】
この作品も色々と高い評価を得ていたので、期待を持って鑑賞してみました。
しかし、最後の最後にこそカラ-の描写になりますが、それまではずっとモノクロ映像での作品と言う事と、物語終盤の衝撃的なシ-ンを観てしまう為、鑑賞する者を選んでしまう作品であり、賛否も分かれるであろう作品となってました。


時代は第二次大戦末期の頃、舞台は日本占領下にある中国のある村という設定。
当時の日本軍、占領下にある中国の人々とその暮らしについて、自分は勉強不足な為、果たしてこの作品のような状況だったのかは語る事は出来ませんが、恐らくこの作品で描かれているような感じだったのだろうと推測出来ます。

それはこの作品を製作したのが中国サイドからの観点で創られているからです。ですが、国を占領した日本軍の酷い部分だけを描いているという訳ではありませんでした。
日本兵が村の中国人の子供にいつもお菓子をあげていたり、侍のような日本軍隊長を描いていたりと、変に偏った描き方ではなく、自分はその辺は大変、好感を持ちました。

その中で、香川照之さん演じる日本兵軍曹の花屋と、主人公マ-を始めとする村の中国人達との交流が面白可笑しく、コメディタッチで描かれており、個対個では奇妙な絆の生まれる交流を持っていきました。
中国人達と日本兵花屋とのやり取りは観ていて笑えるシ-ンが多く、暫くは安心して観れました。


鬼が来た! イメ-ジ1


しかし・・・それは突然にやってきました。

ここからは詳しく書く事はいたしません。何も分からない方がその衝撃度は倍加すると思いますのでここでは書く事はしませんが、歴史の一部を観るという意味でもこの作品は観る価値があると思います。

きっとこの作品で描かれているような事、あの戦争中に多々起こった事なのでしょう。

けれどもこの作品のタイトルで表記されている「鬼」は日本軍兵士だけが鬼という意味なのではないと思います。

戦時下において、やらなければならない状況に追い込まれた時、また、国家レベル、組織レベルでの場合にどうしても実行せざるを得なくなってしまった場合、人は目の前に立つ人間に対して「鬼」になってしまうという事があるのでしょう。
と同時に、そうした状況下では一人が鬼になった時、周りもまた鬼と化すのだろうと思います。対するやられた側もまた鬼に化ける。恐ろしい連鎖。

人間は誰もが人から鬼に化ける。という事を表している映画だと思いました。
「鬼が来た!」は日本軍が侵略しに来た。という事ではなかった。日本の兵士が来た。と言う事ではなかった。
人間の誰もが持っている、心に巣くう「鬼」。強烈でした。


香川さん。凄かったです。まさに鬼の演技。
その香川さんを始め、日本兵酒塚少尉を演じた澤田拳也さんも、昔の武士道精神を持った隊長を見事に演じ印象に残る人物でした。ある意味、古き良き日本男児を見た!という印象です。

その他、村の中国人達も凄く自然でユ-モアも観られた素晴らしい演技で、主役のマ-を演じたチアン・ウェンは監督も務め、凄い作品を見せてくれました。


終盤からラストにかけてはもの凄いインパクトです。
そしてラストシ-ンでの最後の最後にカラ-に変わるその場面は強烈かつ鮮明に、脳裏に焼き付きました。
多分、一生焼き付くラストシ-ンですね。一気に観れたのですが、観終わった後はもの凄い疲労感に襲われました。それほど強烈でパワ-のある作品です。トラウマになってしまう方もいるかもです。

しかし、単なる反日戦争映画に感じない所が、この映画の評価される理由の一つかも知れません。また、よく汲み取れなかったキャラや描写が多々あったのも謎として残り、もっと何か違ったメッセ-ジがあったかもしれないという、深い部分もあると思われる作品として自分としては実に印象に残る映画となりました。


そんな戦争作品を観たい方は是非!




ユウ太的評価 8点
自己評価ですのでご了承下さい。
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ワルキュ-レ
2009-08-01 Sat 17:15



ワルキュ-レ


【スト-リ-】
ワルキューレ それは、北欧神話に登場し「戦死者を選ぶ者」の意味を持つ女神たち。
ドイツの作曲家、リヒャルト・ワーグナーの代表曲『ワルキューレ』は、この神話をモチーフに作られた楽劇だ。ワーグナーをこよなく愛したナチス・ドイツの総統アドルフ・ヒトラーは、国内のクーデターに備えた危機管理オペレーションを「ワルキューレ作戦」と名付けていた。

連合軍との死闘によって、ドイツの敗色が濃くなった第二次世界大戦末期。ドイツ人将校クラウス・フォン・シュタウフェンベルクは、絶対の忠誠を誓うべきヒトラーの思想や政策に強い疑念を抱き、ドイツの未来を憂うが故に反逆者となることを決意する。シュタウフェンベルクの計画は、ヒトラーを抹殺するだけでなく、その混乱に乗じて一気にナチス政権の転覆までも成し遂げること。ヒトラーの危機管理オペレーション「ワルキューレ作戦」を巧みに利用し、冷酷非情な独裁者をこの世から葬り去るという大胆極まりないものだった・・・

自ら暗殺の実行者となったシュタウフェンベルクは、運命の1944年7月20日を迎える。総統大本営<狼の巣>爆破計画。爆弾の作動から脱出まで、与えられた時間はわずか10分。一線を越えたミッション、女神「ワルキューレ」は果たして誰に微笑むのか・・・?




【レビュ-】
ナチス・ドイツものの話題作と言う事で観たかった作品。早速、DVDにて鑑賞しました。

今までナチス・ドイツの映画は色々と観てきましたが、ヒトラ-暗殺計画のドラマはあまり知らず、ドイツ軍内部にてこんな出来事があったのかと、詳しく知る事が出来た作品となりました。

ナチス・ドイツの内部ではやはり反ナチス運動、抵抗運動などがありこの物語の以前からヒトラ-を暗殺するという計画は小規模なものから沢山行われており、そのどれもが失敗に終わってはいますが実に40数回にわたる計画が実行されてきたと言います。

その全てが様々な要因で未遂に終わり、暗殺計画を実行し逮捕されれば皆、処刑されてきたという経緯を経て、1944年、運命の7月20日にクラウス・フォン・シュタウフェンベルクらを中心に実行されたヒトラ-暗殺計画からク-デタ-を起こし、国内を掌握する「ワルキュ-レ」計画を発動させるドラマを描いた作品となっています。


ワルキュ-レ イメ-ジ2


この主人公、ドイツの人名は難しいものがありますが、クラウス・フォン・シュタウフェンベルクをトム・クル-ズが熱演しておりました。

ただ、このシュタウフェンベルクのヒトラ-暗殺計画に駆り立てた心境やその思いに至った経緯が省略されていて、いきなり北アフリカ戦線の場面から始まっていました。
実際、このアフリカに駐屯する5年前から、ユダヤ人政策や宗教弾圧に対してすでに反感を抱いていたという事ですが、この作品では描かれてはいません。すでに、反ナチス、反ヒトラ-を胸にドイツ国家を救おうと決意されていました。

それから軍上層部の将校らヒトラ-暗殺計画を進めていく事になるのですが、ドイツ国内にて叛乱が起こった際にそれを鎮圧させる作戦「ワルキュ-レ」に目をつけ、それを利用して一気に国家中枢を掌握してしまうという、大胆な計画を立てて話は進んでいきます。

ここからの展開が非常にスピ-ディ-に、そしてスリリングに描かれていて、自分的にはすごく見応えがありました。


先ず、肝心のヒトラ-を暗殺する事。あの独裁者、ドイツ総統ヒトラ-を暗殺するなんて容易ではありません。それまで幾度と実行されてきたヒトラ-暗殺計画、そのどれもが失敗に終わり、実行に関わった者は皆、処刑されるという結果に終わっています。
そんな過酷な状況の中、立ち上がった男たち。帝国主義を掲げていたこの当時のドイツにこのような人物達が居て、このようなドラマがあったとは・・・。


しかし、歴史がすでに語っていてこの計画も失敗に終わる。というのが明らかなのですが、物語のスピ-ド感と、目を離せないハラハラの緊迫感に、この計画が無事に遂行される事を思わず願ってしまいました。


ワルキュ-レ イメ-ジ1



それでも失敗に終わってしまい悲しい結末を迎える事となります。得てしてこのような計画が失敗に終わる時って、やはり色々な偶然や予期せぬ出来事が重なってしまいますが、一番の要因は肝心のヒトラ-の生死の確認だったでしょうか?
自分的に安易な考えですが、ヒトラ-を死に至らしめる事が出来なくても、ワルキュ-レ作戦をすぐに発動し、電撃的にベルリンを手中に収めてしまえばク-デタ-は成功したかもしれませんね。
その為にはやはり情報局に信頼出来る人物を現地に飛ばし、情報網を抑える事が重要だったでしょう。

現在の戦争ではその情報戦がカギを握ると言われていますが、この頃はそうではなかったのかな?と疑問を抱いたくらいでした。

しかし、命を賭して同じ志を持った同志たちも保身を考えたり、決断に苦悩したりと色んな心理ドラマも観る事が出来、その部分を描いていたのは好感を持ちました。決して一枚岩ではなかった。ここに電撃的作戦にズレが生じた。致命的だったでしょうね。


最後も非常に悲しく、ドラマチックに描かれていましたが、実はほとんど史実に近い物語に仕上がっていると調べて分かったので驚きました。

多少の脚色はあるとしても、このような人物が国を思い、国家をひっくり返そうとしていた計画があったと言う事を知るだけでも良い作品だと思いました。


まぁ、やっぱりちょっと、トム・クル-ズが格好良すぎるという感じは随所に出ては来ましたが、戦争映画というよりサスペンスドラマのような作品ですね。

自分は飽きることなく観る事が出来ました。




ユウ太的評価 8点
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太陽の帝国
2009-06-09 Tue 18:04



太陽の帝国


【スト-リ-】
1941年、第二次世界大戦下。上海に暮らすイギリス少年ジムは、日本軍の"零戦"に憧れる無邪気な少年だった。だがその日本軍が上海に侵攻、攻撃は全土に及んだ。混乱に巻き込まれ、両親と離れ離れになってしまったジムを救ったのはアメリカ人のベイシー。しかし日本軍に捕われ、ふたりとも収容所へと送られる。そこでの過酷な生活は精神的にも肉体的にもジムを成長させていくが・・・。

イギリスの小説家J・G・バラードの体験をつづった半自伝的な長編小説をスティーヴン・スピルバーグによって映画化された戦争ドラマ。


【レビュ-】
87年公開、スピルバ-グの戦争大作というふれ込みで当時、劇場にて鑑賞した作品。
この当時、まだ昭和でしたか。自分が持っているパンフレットに63年4月発行 と書いてあります。

22年前の映画なのですがこの作品、「バットマン」シリ-ズ、そして今話題の「タ-ミネ-タ-4」に出演でまさに旬の俳優、クリスチャン・ベ-ルの米映画デビュ-作品なんですね。
彼は当時、弱冠11歳。全英・全米で9ヶ月に及ぶタレント・スカウトの結果、4千人のヤングスタ-の中から見事、大抜擢されスピルバ-グ監督映画の主演を射止めたのでした。

この作品でスピルバ-グが語ったこの作品製作の動機を次の様に述べているのですが、
『この原作はすべての戦争に向けられた反戦の話だ。戦争が、成長過程にある感受性に富んだ少年にどんな影響を与えてしまうか。
それは人間の進歩に対する批判の場でもある。僕は主人公のキャラクタ-に共感し、大いなる影響を受けてしまった。
彼は最近の文学の中では最も若いヒ-ロ-だ。なにしろ、彼は生存が許されない世界で生き残っていくのだからね。』
と原作とその主人公に魅了され、この映画を撮ったと語っているのですが、この主人公の役は非常に難しい役柄だったと思います。
しかし、11歳のベ-ルは繊細で且つ、強く逞しい演技で見事演じていました。何というか表現力が素晴らしかったですね。
この映画を観た時、この少年はこれから一体、どんな俳優になっていくのだろう?と、楽しみにした事を思い出します。
いまや、ヒットシリ-ズの主演ですからね。スピルバ-グが見出した小さなヒ-ロ-は大きく成長し、皆に愛されるもっとスケ-ルの大きいヒ-ロ-になりました。

しかし、この作品の後は目立った活躍もなく、暫くはどうしちゃったんだろう?と心配をしたりプライベ-トでもマスコミを賑わす騒動があったりとしましたが、見事に雑音を払いのけましたね。本当に良かったと思います。


さて、肝心の物語ですが、内容は少し難しいものとなっています。
すごく抽象的なシ-ンも多く、戦争を側面から描いていました。視点は勿論、主人公ジムの目線。
当時のベ-ルと同じ11歳の少年の目を通して電撃的に中国を侵攻していった日本軍を見つめ、またその後囚われの身となり、過酷な「生きる」という行為を子供の目線で描いていました。

様々なシ-ンで如何にもスピルバ-グらしい。と言える子供を上手に使ったシ-ンも見られ(冒頭の場面はいかにもスピルバ-グらしい!と言うシ-ンです。)、また、美しいと思えるシ-ンも沢山ありました。
戦争に対する悲惨さや理不尽さを訴えるものよりも、その抽象的な美しいシ-ンが目立っていた感じを自分は受けました。

そして何よりも一番、メッセ-ジというか、願望というか伝わってきたのが「空への憧れ」でした。
旧日本軍の零式戦闘機(通称ゼロ戦)のパイロットになるという夢を持つ主人公は、同じく空へ強い憧れを抱いていたというスピルバ-グ監督をそのまま投影した様な、そんな印象を強く受けました。

自分が一番好きなシ-ンはアメリカ空軍のムスタングがスロ-モ-ションで映されるシ-ン。とても凛々しく、美しい機体はジムがその時に見せた表情と、観ているこちらも全く同じ顔で迎える事になりました。
それとジムが嬉しそうに零戦に触れ、そこに来た日本兵に向けて敬礼をする姿と、それに対して日本兵も敬礼をする場面が美しく、とても心に残る名シ-ンですね。そんな印象に残る映像がとても多いです。

過酷な収容所の中で生きる為に成長していく姿を描いていましたが、その中にジョン・マルコビッチや日本の俳優達も見つけられ、楽しめる事も出来ます。

ハリウッド映画としては初めて、中国大陸でロケをおこなったり、エキストラも1万5千人というスケ-ルも大きい作品なのですが、戦争の悲劇を強く訴えるというのは後の「シンドラ-のリスト」へと続く事になります。、この作品は少年の目線から戦争の惨さをメッセ-ジとして発信していますが、その後にスピルバ-グがもっとキチンと撮りたかった物のプロロ-グ的作品なのではないかな と今になって思う様になりました。


若き日のクリスチャン・ベ-ルを観るのも良し、スピルバ-グの戦争ものの原点として観るのも良し。そんな一回は観てみる価値はあるという作品ですね。





ユウ太的評価 7.5点
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コ-カサスの虜
2009-05-07 Thu 15:55



コ-カサスの虜


【スト-リ-】
ロシア軍兵士のワーニャとサーシャ准尉は、チェチェン人に捕らわれてしまった。二人を金で買ったアブドゥルは、二人をロシア軍に捕まった彼の息子と交換しようとするのだが、交渉はうまく捗らず、やがて些細な事から悲劇と変わってしまう……。

文豪トルストイの短編小説「コーカサスの捕虜」を原作に、舞台を現代のチェチェン紛争に置き換えて描くセルゲイ・ボドロフ監督による入魂の感動作。
「戦争を始めることは簡単だが、終わらせることは難しい。人を愛することより、殺すことの方が簡単なのだ。」と語るボドロフ監督は、コーカサスのチェチェンの村に捕らえられたロシア人捕虜と村人の対決と交流を描く。



【レビュ-】
この作品も以前から鑑賞を切望していた映画。何処のレンタルショップにもなく、ネットレンタルにてやっと鑑賞しました。

チェチェン紛争を舞台にした作品ということで、作品全体はとても静かに淡々と流れていく感じでした。

ロシア人とチェチェンの人達の、争いの中に生まれた交流。お互い、民族紛争の中で相手を憎しみ合い、銃をとって戦っている中の心の交流は観ていてホッとするものがありました。
また、コ-カサス地方の壮大な自然、山々の風景はとても美しく、物語は中盤まで静かに、ほんわかとした雰囲気で進んでいきました。

ところが、事件は起きてしまいます。ここからはこの紛争の深い根っこの部分を見せられた気がしました。
お互いが憎しみ合い、どうする事も出来ずに戦っていくしかない、悲しい現実。すごく悲しい事です。

でも、この物語で描かれているロシアとチェチェンの個人レベルでは、腹を割って話し合い、お互い歩み寄れている姿が見れました。
この映画に登場するチェチェン人の少女はとても美しく、凛とした印象の強く優しい少女。憎むべき敵の女性でも、非常に魅力的で心を許してしまう。そして、とらわれた兵士もこの少女に初め心を許し、そこから交流が生まれていきました。

どこの国の争い、民族間紛争でもそうだと思いますが、個人個人の対話や、やり取りの中では相手を理解し尊重する事が出来るのだと思います。
誰だって銃を手に、争う事なんて本当はしたくないだろうと思う。話をすれば相手の事が段々と解ってきて、本当は心を許せる良い人物なんだというのが理解出来るのだと思います。

しかし、ある一定のグル-プや組織、ましてや国対国の国家間レベルにまでなると相手がどうだとかの前に戦わなければならない。
相手が目の前に現れればそれを殲滅させるのが任務ならば、銃口を向けなければならない。
個人ではどうする事も出来ない現状が悲しく描かれていました。

それは遙か昔から争われてきた歴史も大きく影響しているのでしょう。この紛争に至るまで、多くの悲しみの歴史を繰り返し、代々に渡り継承してきた憎しみ。これは我々には計り知れない程、大きなものなのだと思います。
この紛争では20万人もの方々が犠牲になり、その多くは民間人だと言われています。ロシア側はテロによる被害、チェチェン側はジェノサイドまであったという、無差別爆撃などで多くの命が失われました。

この作品ではその様な大きな悲劇は描かれてはいませんでした。逆にロシア人、チェチェン人の人間ドラマがメインです。その中でも特に、チェチェンの人々の誇り、生き様みたいなものが素晴らしく描かれていたのもこの作品の特徴だと思います。


しかし、事件の後に向かえたラストシ-ンは直接的な描写ではありませんでしたが、それは非情なとても悲しいラストでした。
あの村は、チェチェンの人々は、そしてあの少女はどうなったのだろう・・・。想像するに容易い、深い悲しみのラスト。最後に胸が締め付けられる想いです。



名前だけは知っていても、その内容はあまり良く知られていない紛争を題材にしているこの作品。自分も探すのは少し困難でしたが、良い映画であり、やはり深く考えさせられる作品でした。




ユウ太的評価 8.5点
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